子どもがiPhoneで裸の写真をやりとりしないようにメッセージを保護する方法

子どものiPhoneで性的コンテンツを送受信したときに警告する「Child Safety」がついに日本でも利用できるようになりました。
子供にiPhoneを持たせている親にとっては、どのような機能か気になりますよね。

我が家の娘２人には「裸の写真や動画を撮らない、見せない」ように言い聞かせていますが、スマホで管理できるのであれば安心です。

そこで、iPhoneのファミリー共有（ペアレンタルコントロール）で子どもが裸を含む写真を送受信したときに警告する機能をオンにしてどこまで管理できるのか実用性を確認しました。

当記事はiOS16.4をインストールしたiPhone（保護者）と、ファミリー共有でペアレンタルコントロールを設定したiPhone(子ども）を使用して確かめた内容をもとに執筆しています。お使いの環境やiOSのバージョンによっては異なる場合があることをご了承ください。

裸を含む写真の送受信を警告するiPhoneの「Child Safety」

子どものiPhone（iPad／iPod touch）で裸を含む写真を送受信しないように警告する機能は標準の「メッセージ」アプリ限定の機能です。

メッセージアプリが裸の写真を検知すると警告を表示して抑止しますが、送信や閲覧できないように制限をかけたり、親（保護者）に通知したりすることはできません。

裸を含む写真の検知は、iPhone（iPad／iPod touch）本体内で行われるため写真の内容をApple社に見られることはありません。

メッセージ App は、デバイス上の機械学習を利用して添付画像を解析し、写真にヌードが含まれているかどうかを判断します。Apple が写真を見ることはできない機能設計になっています。

引用元：メッセージ App での通信／通話の安全性について – Apple サポート (日本)

この機能は「Child Safety」のひとつとして米国では2021年から提供されていました。
日本では、iOS16.4／iPadOS16.4(2023年3月公開)で「コミュニケーションの安全性」として機能追加。

コミュニケーションの安全性（旧称：通信/通話の安全性）は、iOS15.2／iPadOS15.2(2021年12月公開)以降がインストールされたiPhone（iPad／iPod touch）で利用できます。

子どものiPhoneから裸の写真をメッセージで送信するとどうなる？

コミュニケーションの安全性（通信/通話の安全性）をオンにした子どものiPhone（iPad／iPod touch）で裸の写真を送信すると「この写真には不適切な内容が含まれているかもしれません。本当に送信しますか？」と警告します。

[今はしない]をタップすると送信前のメッセージアプリに戻ります。
[本当にそうする]をタップすると、「あなた次第ですが、自分の安全を確認してください。」と警告します。

はだかの写真やビデオなど自分が望まないものは共有しないようにしましょう。
はだかの写真やビデオを送るように無理に要求されたと感じる場合は、信らいできる人に相談してください。

[送信しない]をタップすると送信前のメッセージアプリに戻り、[大人にメッセージを送信]をタップすると（同じファミリー共有グループに属する）親/保護者へのメッセージ送信画面に切り替わります。※子が13歳未満の場合

2度の警告にもかかわらず[送信]を選ぶと警告を受けた裸の写真は送信されますが、「これは不適切である可能性があります。大人に相談…」「不快に感じたり、助けを必要とする場合、信頼できる人に相談しましょう。助けを求める方法…」という警告文が写真の下に表示されます。

[大人に相談…]のリンクをタップすると、（同じファミリー共有グループに属する）親/保護者へのメッセージ送信画面に切り替わります。

[助けを求める方法…]のリンクをタップすると、[大人にメッセージを送信][助けを求める方法][連絡先をブロック]を選択できます。

警告の内容は子どもの年齢(子どものAppleIDの生年月日から算出)が13歳未満と14歳以上で異なります。

子どもがiPhoneのメッセージアプリで裸の写真を受信するとどうなる？

コミュニケーションの安全性（通信/通話の安全性）をオンにした子どものiPhone（iPad／iPod touch）で裸の写真を受信すると、写真にぼかしが入り「これは不適切である可能性があります。」と警告されます。

[写真を表示]のテキストリンクをタップすると、「この写真には不適切な内容が含まれているかもしれません。本当に表示しますか？」と警告します。

[今はしない]を選ぶと元の画面に戻ります。
[はい、します]を選ぶと、「あなた次第ですが、自分の安全を確認してください。」と警告します。

[表示]を選んで写真を表示すると警告が[大人に相談…]のテキストリンクに変わります。

警告の内容は子どもの年齢(子どものAppleIDの生年月日から算出)が13歳未満と14歳以上で異なります。

警告を受ける「裸を含む写真」とはどんな写真？ビデオは対象？

警告では「はだかの写真やビデオとは、ふつうは下着や水着でおおわれていて他人に見せてはいけないような体の部分が写っている写真やビデオのことです。」と定義しています。

執筆時点では、裸を含むビデオに警告は出ませんでしたが、警告文に「写真やビデオ」とあるので今後のアップデートで対象となる可能性はあります。

子どもが裸を含む写真を送受信したときに警告する機能をオンにする方法

この機能は初期設定では無効になっています。
利用するには2つの条件があります。

1つ目は、ファミリー共有に登録している子どものiPhone・iPad・iPod touchに対しスクリーンタイムをオンにしていること。
※子どものiPhone(iPad/iPod touch)のスクリーンタイムを設定する方法はAppleのサポートサイトをご確認ください。

2つ目は、子どもと、子どもの親/保護者(または管理者)のiPhone・iPad・iPod touchがiOS/iPadOS15.2以降であること。
※iPhone（iPad/iPod touch）のバージョンを確認する方法はAppleのサポートサイトをご確認ください。

ファミリー共有グループのメンバーは「管理者」「成人」「親/保護者」「子供」の4種類あります。
日本では、18歳以下のメンバーは「子供」になります。

子どもの親/保護者(または管理者)のiPhone・iPad・iPod touchから設定する場合は、標準の「設定」アプリを起動して[スクリーンタイム]を選択します。

ファミリー共有グループ内の子供の名前を選択し、[コミュニケーションの安全性]（iOS16.3以前は[通信/通話の安全性]）をタップします。

「”メッセージ”のコミュニケーションの安全性」の案内が表示されたら[続ける]をタップします。

「コミュニケーションの安全性を改善」の案内が表示されたら[Appleと共有]または[共有しない]を選択します。

[Appleと共有]を選択すると、この機能の使用状況等を個人を特定できない形式でApple社は収集します。
詳しくは、“通信/通話の安全性を改善”とプライバシーをご確認ください。

「センシティブな写真をチェック」をオン(緑色)にします。

「センシティブな写真をチェック」はオンにすべき？試した感想

お子さんのiPhone・iPad・iPod touchが、お子さんのメールアドレスまたは電話番号でメッセージを受け取れるようであれば、「センシティブな写真をチェック」はオンにしておくことをおすすめします。

メッセージアプリで送受信する内容は暗号化されおり、「センシティブな写真をチェック」をオンにしても、写真の解析はiPhone・iPad・iPod touch内で行われるのでプライバシーは守られます。
だから、裸を含む写真の送受信を親(保護者)のiPhone等に通知することもありません。

「センシティブな写真をチェック」をオンにしても裸の写真を撮って送るリスクを完全に遮断することはできませんが抑止になります。

私の娘のコミュニケーションツールはLINEがメインで、メッセージアプリは一部の友人とのやりとりに使うだけ。
メッセージアプリの使用頻度が低くても送受信が可能であるなら、用心するに越したことはありません。

あなたのせいではなくても、はだかの写真やビデオがあなたに害をあたえるために使われることがあります。
これを受け取った人はだれとでも共有することができ、決して消えることはないかもしれません。

うちの子は大丈夫と過信せず、性的リスクから守りたいですね。